アメリカ・ニューヨーク。世界中の人々が夢見る、アメリカが誇る大都市だ。
ニューヨークは留学先の一つとして最も人気な場所の一つであることは間違いない。筆者も候補先を絞る際、ニューヨークは最初からリストアップされていた。
東京で生まれ育った筆者は、この街が大好きだ。自分のホームタウンの他に、これほど居心地がいい街があるとは夢にも思っていなかった。
では、「留学先として」ニューヨークはどうなのだろうか。これにはメリット・デメリットが存在するため、一概に全ての人におすすめできるわけではない。
そこで今回はニューヨーク留学を検討している人に向けて、この街に留学するメリット、デメリットを現役留学生の視点から探っていきたいと思う。
ニューヨークに留学するメリット
1. 様々な人種、文化、違いに出会える
多様性。ニューヨークはそんな言葉を体現したような街である。人種、肌の色、言語など様々な要素が集まりあってニューヨークという街を作り上げている。
自分とは全く違う考え方やバックグラウンドを持った人々がいて、そのような人々と話せるのは留学ならではの刺激的な体験だ。人気の留学先なので、アメリカ人のみならず世界中の国の留学生と友達になれる。
また多人種の街なので、こちらが外国人だとは一目で分かりにくいこともメリットである。世界のどこでもそうだが、ローカルな人に見えれば見えるほど、余計な偏見を相手に持たれない可能性が高い。
2. アメリカの中で比較的安全な街である
アメリカの中でニューヨークは比較的安全な街だ。
もちろん日本ほど安全なわけはない。東京に比べたら行っては行けない地域は存在するし、地下鉄も安心して乗れないわけだが(日本は本当にすごい)、アメリカの中では犯罪率はそれほど高くなく、危ない目に遭う可能性は低いだろう。
ちなみに70〜90年代前半まではニューヨークの治安は頗る悪かった。もし親御さんで心配している方がいたら、現在はだいぶ治安が良くなっている旨を伝えてほしい。
3. 公共交通機関でどこでも行ける
ニューヨークは公共交通機関が発展している街である。
日本と違い、ロサンゼルスなどのアメリカの他の都市では、車がないと移動が困難な場合が多い。免許も車もない留学生にとって気軽に移動できないのは大きなデメリットである。
しかし、ニューヨークではサブウェイ、そしてバスと言った公共交通機関が非常に便利なため、車がなくても簡単に移動することが可能だ。
サブウェイについてはこの記事でまとめてあるため、ぜひ参考にしてほしい。
また、ニューヨークは東京に比べて小さいため、歩いて移動することも容易である。
4.食べ物が充実している
多くの留学生の頭を悩ませるのが「食」。食べ物が合わないと毎日が辛く、ノイローゼやホームシックになる学生も少なくない。
ニューヨークはその点において、他の都市よりだいぶアドバンテージがあると言えるだろう。
日本でも馴染みのあるファストフードのチェーンはもちろん、世界中の食べ物が揃っている。ジャパニーズマーケットにいけばお米も、寿司も、カップ麺も売ってある。少し高いが日本食レストランだってたくさんある。
そんな環境は、一歩日本の外に出たらなかなかないものである。
また、ニューヨークにはピザやベーグルと言った美味しい名物が溢れている。ベーグルについてはこの記事でまとめているのでぜひ参考にしてみてほしい。
5. 勉強の他にやることがある
当たり前だろ!!と思ったそこの都会出身の皆さん。当たり前ではない。
日本、特に東京などの大都市はエンターテイメントがどこにでもある。
もし映画が見たかったら渋谷や新宿に行けばいいし、古着を見たければ下北沢に行けばいいし、友達と美味しいご飯を食べたかったらレストランが近くにある。デートがしたければいくらでもデートスポットがある。東京は、死ぬほど楽しい街なのだ。
だがしかし海外に出たらそんな場所は限られてくる。アメリカのど真ん中の方の田舎に留学したら、本当に勉強以外することはないだろう。なぜなら何もないから(勉強に集中はできるかも)。
エンタメの話になれば、ニューヨークは無敵だ。世界のカルチャーの中心でもあるこの街には娯楽が溢れている。名高い美術館が揃い、世界有数のコンサートホールが存在し、休日は公園で様々なイベントが開かれる。
住んでいて退屈することは難しいと言えるくらい、ニューヨークには様々なスポットが存在するのである。ぜひ留学中にできるだけ多くの場所に足を運ぶことをお勧めする。
ニューヨークに留学するデメリット
1. 物価が高すぎる
まず一つ目。物価が高すぎる。大事なことなので繰り返すが、本当に、高すぎる。高すぎてビビる。ファスト・フードが安くない、という世界線を誰が想像しただろうか。
シンガポールやスイスと並んで世界一お金がかかる街として有名なニューヨーク。月、切り詰めて生活しても生活費は少なくとも12~15万円はかかると思っていた方がいい。
もちろん最初の方は家具を買ったり日用品を揃えたりしないとならないので(筆者の寮は部屋にほぼ何も用意されていなかった)、月に20万以上かかることは全く不思議ではない。しかもこれに娯楽や自分のやりたいことへの出費がプラスされるのである。
あと、円安。この記事を書いている現在、1ドル大体149〜150円。アメリカ人の友達が「ニューヨーク高いよ〜」とか文句を言っているのを見ると、「こちとら円安で全て×1.5倍なんだよ!!!」と叫びたくなる。
ニューヨークに来て食べ物が高いので、自炊をしようと思ったら食材も高いのでそんなに変わらなかった、というのはよくある話である。野垂れ死そうになったらとりあえず1ドルピザを食べて凌ごう(笑い事ではない)。
ピザについての記事はこちら↓
2. 家賃が高すぎる
そして二つ目、家賃が高すぎる。冗談抜きで、東京の五倍はすると思ってもらって良い。
筆者は寮に住んでいるためだいぶ安くなっているが、それでも10ヶ月で $14,500、日本円に直して大体217万円である(月21万)。円安の影響も非常に大きいが、特にマンハッタンのエリアは年々家賃が値上がりし続けており、現在平均の家賃は$4,742、日本円で約70万である(!)。
もちろんクイーンズやブルックリンに行けばもう少しコストは抑えられるかもしれないが、20万を切ったらかなりレアだと思った方が良い。
3. うるさい
ニューヨーク、特にマンハッタンのエリアは、うるさい。東京の五倍はうるさい。
車を運転している人たちはクラクションをすぐ鳴らすし、電車の中でも大声で叫ぶ人はいるし、スピーカーを爆音で鳴らしながら歩く人もいる。
凶悪なのがパトカーと消防車。イメージとしては日本のやつを三倍うるさくして、高音を利かせたものと思ってもらえれば十分だ。もう慣れたが、夜中の二時に爆音を鳴らしてくるもんだから、溜まったもんじゃない。
静かな環境じゃないと落ち着かない、勉強できない、という人はニューヨークに来るのを考え直した方がいいかもしれない。本気で勉強に支障が出る。
まとめ
今回は、筆者が実際にニューヨークで留学して感じた、ニューヨーク留学のメリット、デメリットについて解説した。
筆者は個人的に、ニューヨークは非常におすすめである。とても魅力的な街であり、ここでしか得られない経験、時間は絶対に自分の人生の糧になってくれると信じている。
しかし、生活のコストが非常に高いのは大きなデメリットである。そこで近いうちに、筆者が応募した奨学金について記事にまとめたいと思う。